テルストラの恐怖 シドニー滞在記 ホームへもどる 

オーストラリアを代表する電話会社はTelstra(テルストラ)です。日本のNTT的存在 で、その昔は官営だったらしいですが今は民間事業者です。ここでは電話にまつわる筆者の実体験を紹介します。

電話会社のウラ側

筆者はアメリカ資本の電話会社で仕事をしていたことがあります。
ウラ側というほどたいそうな知識ではありませんが、電話会社のように一般消費者向けにサービスを提供している企業では、コールセンターという一次受け窓口(一般のユーザーが電話する窓口)をつくり、そこで電話にでてくれる愛想の良い(?)お姉さんが、お客さんからの問い合わせを受けて社内のデータベースに入力し、それを裏方の技術者が順番に処理をしていく仕組みになっています。

コールセンターは電話さえあれば運営できるので場所にとらわれず、極端な例ではシンガポールやオーストラリアなどの人件費が安く抑えられる国で日本語を話せる人が対応している場合などもあるのです。実は、豪州で日本人が仕事を見つけるには日本食レストランの次に探しやすい仕事のひとつがコールセンターなのです。日本ではこの手の職業は圧倒的に女性が多いですが、豪州では性別には関係ないので豪州でとりあえず仕事を探そうと考えている方には一考の余地ありです。

しかし、企業にもよりますがたいていはコールセンターの技術レベルは低く、場合によってはほとんどシロウト同然の人が2ヶ国語以上を話せるという理由だけで採用されて十分な社内教育もないまま実践配属されていることもあるため、あまり気の利いたサポートは期待できない場合が多いです。その背景には安い賃金や転職をしやすい社会環境があるのですが、それはまたの機会に改めて書きたいと思います。

まずは初回の設置から

筆者は渡豪してまもなく自宅に電話が必要になったので、職場からテルストラへ 電話して自宅に電話を引いてもらわなければなりませんでした。しかし残念ながら 当時テルストラのコールセンターには日本語ができる人がおらず、渡豪早々という こともあって大苦戦でした。

ここからは当時のやりとりを対話形式でお楽しみください。

筆者: 「あのー自宅に電話を引いてほしいんですけど・・・。」
テルストラ: 「オーケー、じゃ、住所を教えてくれ。」
筆者: 「XXX / XXX xxxxxHighway, CrowsNest NSW です。」
テルストラ: 「ちょっとまって・・・。」

(数分後)
テルストラ: 「あー・・・ここのアパートは何回線かまとめて入っていて、 しかもテルストラではそれぞれの番号がどの部屋に入っているのか分からない んだよ。悪いけど、自宅からテルストラのフリーダイヤルに電話を掛け なおしてくれる?」
筆者: 「いや・・・まだ電話機を持ってないんで、どうしようかな・・・。 機体のレンタルとかってあるんですか?」
テルストラ: (レンタルに関しては無視)「とにかく自宅から電話してくれなきゃ こっちで作業できないんだよ。整理番号を教えるから、自宅からフリーダイヤルに 電話して、この整理番号を言ってくれれば、使えるようになるから。 じゃ、よろしくね。」


今考えるとアパートの各部屋にどの電話回線が入ってるかも管理できてないなんてなんだかおかしな感じもしますが、当時は必死だったのでとにかく近所の電気屋で一番安い電話機を買ってきて言われたとおりにしました。すると今度はあっさりと使えるようになり、かなり経験値を上げた気分に浸ることができました。
オーストラリアへきていきなり固定の電話を引く必要がある人もあまりいないかと思いますが、代表的な電話会社を挙げておきます。ちなみに日本でいうNTTの回線権利のような、信じられないほど高額な初期費用は発生しません。 テルストラの初期費用は2002年5月現在で$50(約\3,800)です。

テルストラのホームページ
オプタスのホームページ
AAPTのホームページ

テルストラの恐怖(1)

さて、ここからが本当の恐怖の始まりです。先日引越しをした際のトラブルを紹介します。

豪州に長く住んでいると、ことサービス業については、ある法則のようなものが見えてきます。それは、「新規は意外とうまくいき、変更や解約は絶対にトラブる」というものです。この法則にぴったりと当てはまったのが今回の引越しのトラブルでした。

トラブルが起きることを予想して、引越しの一週間前から電話で問い合わせをしました。一週間前だったら別に普通のことでは、とお考えの方もいらっしゃることでしょう。この「早すぎず、遅すぎず」がポイントです。あまり早いと忘れられてしまうからです。コールセンターの人が言うには、「新築の建物でないのなら、入居した日に電話機をつないで、フリーダイヤルにかけてくれればその場で使えるようになります。」とのこと。それを聞いた私は、最初に電話を引いた日のことを思い出して、「なるほど、あの時と同じだな。簡単、簡単。」と思いつつ、念のため整理番号をもらおうと思って聞きましたが、それは現在の電話番号で良いとのこと。「う〜ん、完璧。私も成長したもんだ。」と一人悦に浸っていました。

引越し当日は土曜日でした。事前に土曜日の営業時間が3時までで、日曜日は休みであることも把握していたので、とりあえず引越し屋さんが引き上げてからいそいそと電話機を取り出し、2時頃には電話できる準備が整いました。

ところが電話を壁のソケットにつないでも発信音がまったく聞こえません。「あれ、おかしいな?コールセンターの人は線をつなげばとりあえずフリーダイヤルには電話できるって言ってたのに・・・」と思いながらも、仕方なく携帯電話から同じ番号に電話をして、自動アナウンスで待たされること約15分・・・。
さらにコールセンターから担当部署に回されて・・・
担当者:「あなたの電話番号は、現在セキュリティーのためロックされてます。お近くのテルストラショップへ写真付のIDを持ってきてください。」
筆者:「持ってきてって言ったって土曜日は3時まででしょ?あと15分しかないのにどうすんの?」
担当者:「もっと早く電話するべきだったね。」
筆者:「そんなこと言ったって今日引っ越してきたばっかりなんだから仕方ない。とにかくやってよ。」
担当者:「本当に、IDを持ってきてもらうしか解除の方法はないんです。」

結局、この週末は電話もインターネットも使えないまま、月曜日を迎えました。確かに、電話口で誰でも簡単に回線の変更ができるようじゃ、ちょっと怖い感じもするので、ここまではまっとうな対応と考えてもいいでしょう。


テルストラの恐怖(2)

仕方なく、職場の近くのテルストラへIDを持っていってロック解除をお願いしましたが、店の人は何のことだか良くわからない様子。「電話の引越しなら、店の中にある電話から自分でコールセンターに電話してください。」ということに。それじゃ何のためにID持ってきたんだかわかんないじゃん・・・。結局その窓口の担当者を捕まえて、コールセンターの人に説明させました。
そして、ようやく筆者の電話にかかってたセキュリティーロックが解除されました。

しかしこのとき分かった事実は、新しく入居した部屋には、なんと電話線がきていなかったのです。関連記事がシドニー賃貸住宅情報にありますのでそちらもご覧ください。

そこでさっそくその電話で工事をお願いしました。今度の土曜日の午前中にきてくれるとのことで、一安心。・・・そしてついにその週末を迎えました。
ここからは、ドキュメンタリー形式でお楽しみください。中途半端な表示の時刻は携帯電話のログです。

11:15 (最初の電話:コールセンター)
午前中にきてくれる約束のはずが、案の定、11時を過ぎてもまだ連絡すらありません。このくらいの予想はしていたので、「ああ、やっぱりな」というくらいの気持ちでコールセンターに電話して、自動アナウンスを待つこと約15分。
コールセンター:「今日の午前中に行くことになってるわよ・・・あら、もうこんな時間・・・。たぶん前の工事が遅れているのよ。もう少し待ってもらってもいい?」

14:28 (2回目の電話:コールセンター)
自動アナウンスを待つこと約15分。
コールセンター:「技術者が今そちらに向かってますのでもう少し待ってください。」


14:51 (ついにテルストラの作業担当部署から電話が!)
テルストラ:「いやー遅くなってごめんねー。あと15分くらいで作業員がそっちにつくからよろしくね。」
このあと、筆者はテルストラのバンが向かいの道路にとめてあるのを発見したので、今度こそ大丈夫だろうと思っていました。
しかし、いつまでたっても部屋のドアをノックしてくれません。しびれをきらしてまた表に出てみると、先ほどのバンは消えていました。どうやら違ったようです。

16:13 (ついに作業員本人から直接電話が!)
作業員(ロバート):「テルストラのロバートです。今、別の作業場で作業してるんだけど、もう少しかかりそうだよ。急いでやってすぐそっちに行くから。あ、そうだ。君の建物で、電話を制御してる機械室みたいなのがあると思うんだけど、たぶんカギがかかってるな。どうやったら入れるのか知っているかい?」
筆者:(そんなのお前が知ってるべきことじゃないのか?と思いつつ)「あー分かった。管理人さんがいるから聞いておくよ。」
(電話を切ったあと)
筆者:「・・・ということをテルストラに聞かれたんだけど、誰にお願いすればいいんですかね?」
管理人:「そんなのテルストラが絶対知ってるよ。君が心配することじゃない。ここは何世帯も入ってるアパートなんだし、彼らはしょっちゅう工事で入ってるからね。」
筆者:「そうだよねー。」


16:32 (筆者から作業員ロバートに電話する:1回目)
筆者:「ロバート、管理人さんはいつでもOKだって言ってたから、着いたら直接管理人室に行って。」
作業員(ロバート):「あ、そうなの?分かった。ありがとう。」


18:00 (筆者から作業員ロバートに電話する:2回目)
筆者:「ねえ、今どんな感じ?」
作業員(ロバート):「・・・ああ・・・と、実は今、別の作業員が君と同じ建物で作業してるんだよ。それが終われば、たぶん今度は君の番だから。」
しかし、いつになっても「別の作業員」なる人は現れない。

18:45 (筆者から作業員ロバートに電話する:3回目)

応答なし

18:50 (筆者から作業員ロバートに電話する:4回目)
応答なし

18:50 (筆者からテルストラの作業担当部署に電話する)
留守番電話

18:54 (筆者から作業員ロバートに電話する:5回目)
筆者:「まだ?今どこに居るの」
作業員(ロバート):(どうやら事務所に戻っていてくつろぎモードの様子)「今、近くのテルストラの施設に居るんだ。10分で行くから待ってて。」

19:15 (ついにロバート本人が来た!)
作業員(ロバート):「電話工事なんだけど、機械室のカギを開けてもらえる?」
管理人:「え?お前テルストラじゃないのか?テルストラの作業員はみんなここの機械室のカギは持ってるはずだぜ?」

作業員(ロバート):「あ、そうなの?いいから、とにかく開けてよ。」
筆者:(大丈夫かな、こいつ・・・)

こんなやり取りから1時間後、ついに電話が開通しました。午前中に予定されていた工事が終わってみれば夜8時過ぎ。いや〜長かった。本〜当〜に疲れた。かなり迷惑をこうむったはずなのに不思議と何か、スポーツをやったあとの爽快感すら感じられました。

ありがとうロバート、ありがとうテルストラ。

後日テルストラから送られてきた月額の請求書には、なんと「迷惑料」として、$12(約\900)がキャッシュバックされてました。
これを「おお、すごい!」と感激できるようになれば、あなたも立派なオージーです。

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