| The Return of the TAX 〜税の帰還〜 (年末調整の話) | シドニー滞在記 ホームへもどる |
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オーストラリアは税金大国です。消費税(GST: Goods and Service Tax) は10%ですし、普通のサラリーマンでも額面収入の20%〜30%は税金として持っていかれます。その代わり、国の経済は目下のところ絶好調で、国債を発行する必要がないほどです(実際は、対外的な理由で仕方なく発行しています)。稼ぎ頭となるような巨大産業もないのに、国全体で黒字を保っているのは立派なことです。700兆円以上もの国債を発行しながらも自動車やハイテク産業のおかげで何とか経済状態を支えている我が国ニッポンとは違います。
日本の会計年度は4月から始まりますが、オーストラリアは7月から始まります。前年の7月〜6月の税金を10月末までに支払わなければならないため、9月、10月は"Tax Return(タックス・リターン)" と呼ばれる、日本でいうところの年末調整の話で持ちきりになります。サラリーマンの税金は日本と同様に給料から天引きされるのですが、別収入がある場合などは追加で税金を支払わなければなりません。銀行の預金利息や株式の配当なども課税対象です。 日本だと銀行の利息なんて雀の涙ほどですが、オーストラリアではなんと、年間5%はザラです。500万円貯金していれば1年で25万円です。ここから例えば20%を税金で持っていかれれば残るのは20万円になりますが、ちょっと工夫して、これを収入のない奥さん名義の口座にしておけば、税金はかかりません(年間上限$6000)。たったこれだけの努力で、5万円の差になるのです。 これはほんの一例です。一般のサラリーマンも、税金対策には余念がないというのがお分かり頂けるでしょう。 この、タックス・リターンは自分でもできますが、たいていの人は会計士さんにやってもらいます。シドニーには日本人の会計士さんも多く活躍しており、手数料は$100前後(約\8000)のところが多いようです。これを高いと思うか安いと思うかはそれぞれですが、個別事情に合わせて相談に乗ってくれて、税金に対するさまざまな疑問を一発解決してくれるのですから、筆者は非常に良いサービスだと思います。 ただし、後述しますが、サラリーマンは基本的にリターンされるマージンも少ないのが現状です。仕事にかかる経費や学費(トレーニング、書籍)などがすべて会社もち、という恵まれた環境の人ほど、戻ってくる税金も少なくなります。場合によってはまったくリターンされません。日本では4〜6月の収入を元にして年収を算出し、そこから税率を算出して年末調整という非常に複雑な課税方式がとられていますが、残業手当やボーナス、家族手当などがほとんどないオーストラリアでは、シンプルに(年棒)x(税率)で決まってしまうからです。 正直言ってあまり好きではなかったお金の話題ですが、お金をキッチリ管理できる人とそうでない人との差がこれからますます開くこのご時世。せっかくの機会ですから、しっかり勉強して幸せに過ごしたいものですね。
日本に住んでいたとき、地方をドライブしていて「青色申告完全徹底のまち」といった看板を目にしたことがあります。当時は気にもとめなかったのですが、日本でいう青色申告とは、自営業者や年収1千万円を超える人が行う所得の申告で、税務署に置いてある青い用紙で申告するので俗に「青色申告」と呼ばれるらしいです。普通のサラリーマンは、会社の経理部の人がまとめてやってくれることが多いので、直接税務署に申告する人は少ないでしょう。 日本も豪州も、所得(収入)に対する税金(所得税)は、累進課税と言って収入のたくさんある人は高い税率、そうでない人は低い税率、という風に、お金持ちになるほど段階的に税金が高くなるという仕組みになっています。だから、本当は収入がたくさんあるのにないように見せかける(脱税する)ような人もでてくるわけですね。「青色申告完全徹底のまち」は、「自営業者は多いけどみんな悪いことはしないでちゃんと税金払ってますよ」、というアピールなんですね。 この税務署に申告する内容ですが、日本だと例えば家族を何人養っていて、生命保険にこのくらいお金がかかってるので、今まで一年間払っていた税金のうち、取られすぎている分を返してください(控除)、というものですね。オーストラリアでも基本的にはこの考えと一緒で、あらかじめ決められた年収に対して一定額の税金が差し引かれ、申告すれば控除が受けられると思っていただいて大丈夫です。 ただし、申告できる内容が日本とは異なります。それを以下で紹介します。
会社の給料から天引きされる所得税は、"tax withhold" という名前で記述されています。"withhold" には、「一時的に預かってるだけです」という意味合いがあります。だから、預けすぎたものはちゃんと精算して、しかるべき税金だけを納めるというのがお互い納得できるやり方というものです。 では、どういう場合が「預けすぎ」になるのでしょうか。 Australian Taxation Office(ATO:税務局)で決められているのは、 例えばコンピュータ系の技術者の場合は ・自分で『勉強のために』購入したソフトウエアやパソコン本体 ・技術関係図書 ・IT系の資格を取るために短期集中コースに通った学費 などです。 また、例えば営業さんの場合は、 ・自分の車で営業活動をしている場合はそのガソリン代や維持費の一部 ・営業職向けの勉強会参加費用 などです。 要は、「会社では負担してくれないけど、自分のお金を使って仕事にプラスとなるようなことをした場合に、使ったお金は収入しなかったのと同じ扱いになる。」というルールになってます。年収500万円の人が資格取得に自費で20万円使ったら、年収480万円の人たちと同じ税率になるという仕組みです。 その割には、100%会社のために身銭を切ってるはずの通勤費は、会社の支給はないのに税金の控除からは除外されています。会計士さんによると、会社の玄関から家の玄関までは、プライベートの扱いになるらしいです。・・・全然納得できません。でも、そうらしいです。 どこの国もそうなのかもしれませんが、オーストラリアでは、一生懸命仕事に打ち込んで、今ある自分の仕事のために自分の身銭を切ってでも勉強することが奨励されているように思えます。これは裏を返すと、日本企業のように会社負担で社員教育をする会社が少ないとも言えます。そんなことをしていたら、資格を取った人から転職していくのは目に見えてます。会社側にも、働く人にも、およそ忠誠心なんてものは存在しないように思えます。昨今の日本企業やサラリーマンたちも、そんな割り切った態度になっていくのは寂しい限りです。 それでも、会社のお金でTOEICを受験できたり、社宅やら住宅手当が出る会社がまだまだあると聞きますから、日本の会社もしばらくは安泰ではないのでしょうか。
よく、「オーストラリアの所得税は30%とか40%だ」と言われる場合があります。 これはある意味正しいですが、100万円のうち30〜40万円が税金として取られるわけではありません。いくら税金で潤ってるオーストラリアといえども、そこまで鬼ではありません。 下の表は、Australian Taxation Office(ATO:税務局)の所得税計算表を日本語訳したものです(2003年7月〜2004年6月の会計年度)。
たとえば、年収が$50,000の人は、まず
豪州おシゴト事情でも触れましたが、額面の年収で$40,000の人は、$31,868の手取りになります。これは決して誇張ではなく、大卒初任給というものがもしシドニーにあるのなら、このくらいの収入になるのかも知れません。一般に"Junior Job"と呼ばれる、新卒社会人の仕事はそのくらいが多いようです。 筆者個人は日本の地方大学の出身で就職と同時に上京しましたが、あの時会社が社員寮を用意してくれていなければ、とても生活できなかったと思います。この国には社員寮や社宅がある会社は極めてまれですから、地方出身者がシドニーで新社会人として生活するのがいかに大変か、想像に難くありません。 オーストラリアで働くためには、タックス・ファイル・ナンバーと呼ばれる、9桁の納税者番号を取得しなければなりません。とは言っても、ATOの窓口で簡単に取得できます。この番号は、一度割り当てられたらどこの会社へ行こうとも、一生使うことができます。嫌な言い方をすれば、政府から常に納税状態をチェックされます。だから、仕事内容が変わってないのに例年よりもリターンの額が多かったりすると、すぐに国税庁の調査が入ります。映画の「マルサの女」みたいなのがサラリーマン家庭にも来るのでしょうか?実際に試して皆さんにお伝えしたいのはやまやまですが、それはさすがにチャレンジできません。 ちなみに、調査が入ったときのためという訳ではありませんが、タックス・リターンに使った各種のレシートは、5年間保管する義務があります。 |
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