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ワーホリや学生ビザで滞在を予定されている方は、初めは学校紹介所などで滞在先を探すのが一般的でしょう。
また、駐在の方は会社の方で手配してくれることが多いと思います。筆者は会社都合で渡豪したにも
かかわらず、初めから自力で住むところを探さなくてはならないという、ちょっと変わった事情があった
のでその分早くから現地事情を知ることができました。
ここでは、ある程度豪州での生活に慣れた人を対象に、これからシドニーで部屋探しをしようと考えている
方を想定していますが、出国前の方にも参考になるように情報提供できればと思います。
部屋を探す手順そのものは、日本とほとんど変わりがありません。
1.住みたい地域を決めて新聞やインターネットで物件を絞り込む
2.実際に物件を見る(Inspection)
3.気に入ったらその場で申請書(Application Form)をもらう
4.後日申請書をFAXまたは不動産事務所に持参
5.入居者(あなた自身)の審査
6.契約成立
異なるのはインスペクション(Inspection)と呼ばれるシステムで、本文の下のほうで
詳しく紹介します。
日本の都市部では、コンビニで毎週のように賃貸情報誌を手に入れることができますが、豪州では 何よりも新聞とインターネットが最大の情報源です。また、不動産屋さんの各店舗にも最新のレンタル リストが置いてあります。情報の鮮度と正確さで言えば、1.店舗、2.新聞、3.インターネットの順。 検索効率で言えばその逆順になります。また部屋の賃料は週単位で表記されます。
インターネット住宅検索:
http://www.realestate.com.au
http://www.domain.com.au
(Sydney Morning Heraldとリンクしてます)
新聞:
Sydney Morning Herald 紙

ある週のSydney Morning Herald紙(週末版)。カテゴリー毎に冊子が分かれていて盛りだくさん。賃貸情報はなぜかSportの中。 |
日本と同様、まずは住みたい地区を2,3箇所に絞り込んでから各メディアを使って探すのが一般的です。
住みたい地区がかなりピンポイントで絞り込めている人は、実際にその地区にある不動産屋さんを回って
レンタルリスト(A4の紙に印刷した、現在の空室状況)をもらって回るのが一番です。また、不動産屋さん
ではその店舗で扱っていない物件は、たとえ同じグループの店でも紹介してもらえないので、自分の行動力
が頼りになります。
基本的に部屋の大きさは、「ベッドルームがいくつあるか」という表記になります。また新聞では
スペース節約のためかなりの略語が使われますが、下記用語から連想できるものがほとんどです。
住所の読み方
これはギョーカイ用語ではなく一般表記ですが、これが読めないとインスペクションにすら行けないのでここで紹介します。
アパートの住所ではよく、"/(スラッシュ)"を使って
部屋番号 / 番地 通りの名前 サバーブ(地区)名 と表記します。
例えば、
209/53 Bond Street Sydney だと、「シドニー市 ボンド通り53番地 209号室」という具合です。
また、番地は、偶数(even)番地と奇数(odd)番地が、それぞれ通りをはさんで向かい合っているので、例えば100番地と101番地は隣りどうしではなく、100番地の隣は102番地になります。101番地は、たいていはその向かい側です。
部屋の種類
Studio:日本でいうワンルームマンション
Unit: "○Bedroom Unit"、というふうに○の中に数字が入ります。リビング+ベッドルーム。
Flat:Unitとの違いがいまいち分かりません。同意義としても差し支えないでしょう。
Townhouse:通常2階建てでこじんまりした建物の、1階部分と2階部分を占有できる。
House:「家」そのもの。
用語
Internal/Share laundry:洗濯機(Internalの場合は置場)が各部屋にある(Internal)か、共用(Share)か
View:ズバリ、「景色が良い」。お金に余裕のある方は、是非世界3大美港の景観をどうぞ。
Parking:車をお持ちの方には必須。郊外だと路上駐車も可。
LUG (Lock Up Garage):カギ付き車庫。
Security:セキュリティー施設のある物件。蹴飛ばせば壊れそうな古い防犯扉しかない物件から、24時間
コンシェルジェ付きの物件まで幅広く使われる売り文句なので要注意。
Grd. Flr. (Ground Floorの略):日本でも地上階は防犯上人気がないですよね。その分安価。
A/C:エアコン。なくても我慢できますが、立地や窓の大きさにより灼熱地獄となる物件も。
Bond:入居する際に必要な保証金。ほぼ1ヶ月分の家賃。大抵は退居時に8割程度戻ってくる。
Close to Transport:「交通至便」。最寄の交通がフェリーだったりすることもある。フェリーも意外に
使えますが、やはりバスと電車が人気。
Back Of Block:交通量の多い道路に面した物件の場合、裏側(Back Of Block)の方が静かなので人気が高い。
いい物件に目星をつけたら、次は実際に部屋を見てみましょう。インターネットや新聞にある物件は、
インスペクションという、一般に公開する日時が決まっています。中には不動産屋(エージェント)さん
へ直接申し込まなくてはならないものもありますが、大抵は毎週土曜日の朝10時くらいから夕方3時頃
までの間に一斉に行われます。それを逃すとまた次のインスペクションが開催されるまで待たなくては
なりません。誰かがそこを気に入って申し込んでしまったら、同じ部屋はもう二度と見られません。
ノリで言えばオークションとあまり変わらないのかもしれません。しかも新聞に賃貸物件が掲載される
のは土曜日の朝刊ですから、インスペクションに行こうと思ったら住みたい地区が遠い場合はかなり
早起きして新聞を買い、見たい物件の開始時刻をチェックしなくてはなりません。正確な住所や時刻が
掲載されないこともしばしばですから、時には不動産屋さんに電話で聞いてみることも必要です。
休みだからといってゆっくり寝てる場合ではありません。
余談ですが土曜日の朝刊では、なぜかスポーツ 面(※)の一角に賃貸住宅情報が掲載されます。住宅情報(売買物件)をまとめた冊子(Domain)が別にあるにも関わらず、
です。
しかしこの体力勝負のインスペクションを何度か経験すると、なぜスポーツ面に掲載されるのか、 かなり強引ですが理解できます。各物件のインスペクション開催時間は30分から1時間くらいです。 不動産屋さんは同じ地区の手持ち物件のインスペクションを次から次へとこなしますから、このときばかりは 時間にルーズなオージーもきちんと時間を守ります。
このように、コツをつかめば一日数件の物件を見て回ることもできます。同じような地区を回ってると、「あれ、この人別の物件に来てたな」というインスペクション
仲間もチラホラ現れるくらいです。しかし期待はずれの物件が多かったり見る範囲が広範囲に及んだりして
体力的に疲れてくると、正確な判断も下せなくなってきます。まさに体力と情報力、そして英会話力の総合能力
が試されるのです。
その部屋を気に入ったら、その場で申請書(Application Form)をもらうのが一般的です。一応もらって
おいて、実際に提出するかどうかはあとで決めても大丈夫です。

インスペクション風景 |

この部屋は片付いていますが、まだ入居中の部屋を見ることもある。 |
※(2005年11月6日追記)
Sydney Morning Herald紙では、最近になって賃貸情報欄を「Domain」に掲載するようになりました。当たり前と言えば当たり前のカテゴライズなのですが、このコラムの通り、それでもやはりインスペクションはスポーツの要素があります。
豪州に「礼金」という習慣はありませんが、「敷金」に近いもの(Rental Bond)は存在します。
しかしこれを預かるのは、不動産屋さんではなく国が運営しているFair Tradingという機関です。Bondはその名の通り保証金の意味ですので、たとえば賃貸契約が終わって部屋を出る場合、破損個所の修理費用などが最初に預けたRental
Bondから家主へ支払われるというものです。それを上回るようなひどい破損の場合は別途請求がきますが、
日本人は比較的きれいに生活する人が多いのでせいぜい$100くらいのカーペットクリーニング程度の費用でしょう。
入居契約時には不動産屋さんがチェックするコンディションレポート(Residential
Premises Condition Report)に必ず自分でもチェックをして、元からあった破損個所をお互い確認しあう
ことが大切です。この記録をとっておけば、退居時に余計な修理費用を負担しなくて済みます。
考えてみればごく自然で当たり前のことなのですが、日本では決まった書式も習慣もないのでどうしても
部屋を借りる側が不利になってしまうケースが多いと思います。日本よりも豪州が進んでいるとは決して
考えませんが、契約に関するトラブルを未然に防ぐそのような習慣は日本人に欠けているもののひとつ
なのかも知れません。
私は豪州へ来てから一年間、Crows NestというNorth Shore地域に住んでいました。80世帯くらい入れる
中型アパートでしたが、セキュリティーはもちろん、プールやサウナやジムもついていて、職場にも歩いて
行けるのでそこに決めたのです。みなさんの参考までに駐車場付で$260/week でした。
しかし交通の激しい道路に面した30平方Mの小さな部屋で、午前中は直射日光で暑く、騒音も
ひどくてさらに雨漏りがするため引っ越すことに決めたのです。雨漏りについては、入居時にきちんと説明
を受けていました。修理はしているけれど、もしかしたらまたするかもしれないこと、また家具などが
濡れても保障できないことなども納得済みで入居しました。
しかし、最初の一年は非常に乾燥した年で 雨がほとんど降らなかったので、雨漏りは1年で数回、ブラインドの取り付け部分から水滴が滴ってくる
程度でした。
ところが、この「雨漏りは天井から」という固定概念こそが、貧困な発想だったのかも知れません。

窓際の雨漏り、と言うより浸水。
ここは4階建ての2階です。 |
なんと、じゅうたんに染み込んでいる水は、天井からの雨漏りではなく、床下から染み出しているものだったのです。私は家の中では靴を履きたくない方なので、これは大きな痛手でした。
不動産屋さん には、入居時に「雨漏りが原因で出て行く場合は、本来4週間前通知のところを特別に2週間前の通知でOK」
という了解を取っていたので、上の写真を事務所まで持っていき、めでたく2週間分の費用で退居と
なりました。それにしても4階建てアパートの2階部分なのに一体なぜ?という気持ちでした。実は同じ
アパートのほかの部屋も見たことがあるのですが、私の部屋同様に、雨漏りによる壁板の腐食が見られました。
この建物はオリンピック景気に乗り遅れまいと、突貫工事によって作られた欠陥住宅だったのです。
また、信じられない偶然ですが当サイトをご覧になっていた元居住者の方(日本人だったのです)からメールをいただきました。その方によれば、2001年頃にはすでに雨漏りしていたそうです。
次に引っ越したアパートはできてからまだ一年くらいの、ちょっと高めのアパートでした。
インスペクションのときに、それまで住んでいた人が引越し準備をしているところを見せてもらった
ので、まさか電話線がきてないなんて、考えてもみませんでした。壁にはちゃんと差込口もついていたのです。
何の疑いもなく、引越し後に電話会社に連絡して引越しだと伝えて初めて、屋内配線工事が必要とのことを聞かされました。筆者は仕事柄、インターネット接続ができないと非常に困るので早速工事を申し込んで、今度の土曜日に来てくれるとのことで、「まあ1週間くらいだから我慢するか」ということになりました。この工事費用は$200くらいしますが電話の契約者である筆者が払うことになります。通常の電話移設なら$50くらいですから、これは納得いきません。$150はなんとしてでもオーナーに負担してもらおうと、不動産屋さんと交渉をしなければならない羽目になったのです。
しかし今どき電話なんて、あって当たり前の必要不可欠なインフラです。なぜ新築工事のときに電話の
屋内配線までをしていないのだろうと不動産屋さんに聞いてみると、そのアパートのすべての部屋の契約を
一手に引き受けているその不動産屋さんは、「オーナー(家主)によっては、工事費用を負担してくれる」
とのこと。今度私が部屋を出るときに壁に埋まってる電話の線だけ持ち出しできるはずもないんだから、
そんなのオーナーが負担するのが当たり前じゃないかと食い下がったのですが、敵もさるもの、なかなか
オーナーとの直接交渉はさせてくれません。所詮は、不動産屋さんにとってみれば、部屋を借りる人よりも
オーナーが大切なのです。そりゃそうです。仮に私が不動産屋さんでも、オーナーに対していい顔をして
いたいでしょう。結局、工事費用の半額だけオーナーに払ってもらうということでしぶしぶ了解しました。
賃貸契約書には電話のデの字も書いてないのでまさにこれは「電話線くらいはあって当たり前」という思い込み
からきた盲点だったのです。
| 筆者体験談(3)Condition Report 万歳! |
豪州に一年以上住んでいると、「オージーは人はいいけどちゃんと仕事できない」という固定概念が生まれてきます。そこには「お客様第一」なんて言葉は存在しません。トラブルは起きて当たり前、店じゃなくて文句を言わない客の方が悪い、というのが通説です。
雨漏りハウスを出るとき、私は自分が不利にならないように部屋のコンディションチェックに立会いをして、上述のFair
Tradingから戻ってくるRental Bond(敷金)をくどいくらい念を押して不動産屋さんと確認しました。ところが、やっぱりトラブルは起きました。いつまで経っても割戻し金が銀行に振り込まれないので不動産屋さんに文句を言うと、「ウチじゃ分からないからFair
Tradingに問い合わせてください。」というわけで早速Fair Tradingに問い合わせてみると、「あなたのBondはリターン(割戻し)の申請がなされていませんので不動産屋さんに聞いてみてください」とのこと。・・・なんのこっちゃ、結局不動産屋がまだ手続きしてないだけじゃん。また不動産屋さんに文句をいうと、「今日申請します」。(私の心の声:「せめて何とか言い訳しろ!オマエラそば屋の出前以下だぁ!」)
気を取り直して1週間後、やっとBondが戻ってきました。・・・が、$200くらい少ない。またまた不動産屋さんに文句を言うと、「コンディションチェックした時には見落としてたけど、小さな穴が壁にあいていたので修理費用が$200かかった」とのこと。私もその穴のことは知っていました。そうなると、Condition
Reportの出番です。そこにはしっかりとその穴のことが明記されていました。私が入居するときに、その穴はすでに存在していたのです。すかさず私はCondition
Reportを振りかざし、$200の奪取に成功しました。
日本の感覚でいると、まったくもっていろんなことがうまくいかない、本当に疲れる国です。でも人間性は憎めない奴が多いんですよ・・・フォローですが。
賃貸住宅の情報ということで、Sydneyの大雑把な地域紹介があったほうが良いとは思うのですが、あまり客観的ではないのでここだけの話とさせていただきます。あくまで主観的なイメージですので参考程度に。
| エリア |
エコノミー度 |
安全性(※) |
便利度 |
コメント |
Sydney CBD
(中心部) |
★☆☆☆☆ |
★★★☆☆ |
★★★★★ |
City中心付近。意外と治安は良い。 |
Eastern Suburb
(東エリア) |
★★★☆☆ |
★★☆☆☆ |
★★★★☆ |
おしゃれな街が多い。 |
Western Suburb
(西エリア) |
★★★★☆ |
★☆☆☆☆ |
★★★☆☆ |
安いけど治安が心配。海外上級者向。 |
Southern Suburb
(南エリア) |
★★★☆☆ |
★★☆☆☆ |
★★★☆☆ |
トータルバランスは良い。 |
Northern Suburb
(北エリア) |
★★☆☆☆ |
★★★★☆ |
★★☆☆☆ |
低刺激。割と日本人も多い。 |
(※)安全性については、はっきり言ってどこも安全ではありません。犯罪の発生率が比較的少ないのは
North地域ですが、だからといって用事もないのに夜中に歩きまわったりブランド物をこれ見よがしに持ち歩く
ような自衛意識のかけらも持ち合わせていない人は結局どこに住んでも被害にあう確率は高くなります。
「夜は一人で行動しない」
「街の雰囲気にあわせてドレスダウンする」
「人通りの多い明るい通りを通る」
「それがどうしてもできない場合はタクシーを使う」
など、旅行ガイドブックや
外務省の海外安全ホームページに書かれていることはダテじゃありません。
自衛に勝る安全の確保はありえないと認識しましょう。
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