マネーの達人 (入門編) シドニー滞在記 ホームへもどる 

旅行でも長期滞在でも、渡豪するにあたって身の安全の次にくるのが「お金」の心配ではないでしょうか。

見慣れない紙幣に見慣れないコイン。早口の英語で店の人からあれこれ言われたらパニックになってとんでもない金額を間違えてしまうこともあるでしょう。

また、いくら日本の銀行口座にたくさん貯金を持っていたところで、オーストラリア国内でそれを引き出すことができなければ何の役にも立ちません。かと言って、多額の現金を日本で換金しておいて滞在中ずっと持ちつづけるのも心配です。

まして、半年以上の長期で滞在ともなれば、オーストラリアで口座を開く必要性も出てくるでしょう。オーストラリアの預金利息は日本人が腰を抜かすほど高い(年5%はザラにあります)ので、長期滞在を予定されている方は是非とも利用していただきたいものです。

ここではベタなネーミングですが「マネーの達人」として、今まで筆者がオーストラリアの生活で得た、お金に関する知識を余すところなくお送りします。

筆者自身、経済の専門家でも何でもありません。それにまだまだ達人と呼べるほどの領域にはまったく及びません。だからこのページはいつまでも未完成かもしれません。また、ひょっとしたら、筆者が思い込んでいるだけのこともあるでしょう。これらの情報を利用させる際はくれぐれも自己責任で、また間違いに気が付いた方はメールでそ〜っと、教えてくださいね。

たぶんかなり長くなるので、読者の皆さんがとっつきやすいように、とりあえず入門編から。
中級編、上級編は、後日執筆予定です。

Notes & Coins (紙幣とコイン)

日本ではアメリカ英語を教えることが多いので紙幣は"Bill(ビル)"と覚えている方が多いと思いますが 、オーストラリアやニュージーランドはイギリス英語をよく使うので、一般に紙幣は"Note(ノート)" と呼びます。もちろん複数形はNotes(ノーツ)です。

オーストラリアの紙幣は世界的にも珍しいプラスチックのお金で、色鮮やかなのが特徴です。
左の写真は紙幣全種類のラインナップです。
カラフルでとてもお金には見えないかもしれませんが・・・。

それぞれに、「透かし」として小さな窓(写真では各紙幣の数字の下)があるのがわかると思います。

一番上の100ドル札はほとんど流通しておらず、日常生活ではめったにお目にかかれません。お店やタクシーなどでも嫌がられることがあります。大げさですが、この特集を考えてから100ドル札を手に入れるまで、かなりの時間を必要としました。

カジノ好きの友人に言わせれば、毎週末、この100ドル札を紙くずのようにやりとりしているとか。ギャンブルに縁の無い筆者の理解を超えています。

というわけで、日本から両替して持ってくる場合は、旅行者丸出しにならないためにも、なるべく黄色の50ドル紙幣で持ってこられることをお勧めします。

物価は(2004年12月現在)日本とほとんど変わらないので、1豪ドル=\100と考えても差し支えないでしょう。


コインは全部で6種類です。
なぜか、一番大きいのが50セントで、12角形をしています。聞いた話では、その昔は1ドル、2ドルは紙幣で流通しており、後になってそれらがコインに変わったため、色を金色に、厚さを少し厚くして1ドル、2ドルコインを作ったそうです。ちなみに2ドルコインが一番厚いので、慣れればすぐに見分けられるでしょう。

また、コインの最小単位が5セントなので、実生活では5セント以下は四捨五入ならぬ「2捨3入」方式が取られます。

どういうことかと言うと、例えば(税込みで)98セントのものは1ドルを払い、この場合お釣りはもらえません。97セントのものに対しては、2セント足りないですが95セント支払えばOKです。

お店の側では少しでも安く見せるため、広告に"Only $9.99" などと書きます。この場合、10ドル払えばお釣りはもらえませんが、この商品を3個買うと$29.97 になりますから、30ドル払うと5セントのお釣りがもらえます。

損することと得することが同じ割合で起こるので、最終的にはトントンになる、という考え方です。しかしこれをうまく活用すれば、ちょっとした「小金もち」になれるかもしれませんね。

尚、電話代や光熱費など、銀行口座から直接支払うようなものは、しっかりと1セント刻みで支払います。

”バックス”と”グラン”

お金の単語で是非とも覚えておきたいのが、「バックス(bucks)」と「グラン(grant)」です。実はこれ、アメリカンスラングなのですが、バック(ス)はドル、グランは1000ドルの意味で、オーストラリアでも幅広く使われています。

筆者は最初この単語を知らなかったため、バックスは"backs"、つまりお釣りのことかと思っていました。ところが、"20 bucks change"(20ドルのお釣りだよ)などと良く聞くので、オージーの同僚に確認したところ、実はドルの意味だったんですね。

同じく、スラングで1000ドルのことを1grantと言います。こちらは高価なためバックスほど聞かれませんが、旅行のTVコマーシャルなどでたまに言われます。

いくら英語圏で生活しようとも、知らない単語はほとんど聞き取れないし、もちろん理解もできません。スラングと言えども日常使われているものは抑えておきたいものです。

ズバリ、得する換金術

さて、基本はこのくらいにして、ズバリ本命の、「どうするのが一番いい換金レートなのか」という話題に入りましょう。
日本からオーストラリアへお金を持ち込む方法としては、次のことが考えられます。

1.日本円をオーストラリアに到着後、換金する。
2.日本の銀行などで、オーストラリアドルに換えてもらい、それを持ち込む。
3.トラベラーズチェック(T/C)で持ち込む。
4.クレジットカードを使う。
5.日本の銀行で、海外のATMでも使えるカードを作ってくる。

必要な金額にもよりますが、旅行の場合は現金を少しだけもってきて、あとはクレジットカードを使うのがオーソドックスですが簡単で賢明なやり方です。換金レートだけで考えれば、クレジットカードはなかなか優等生と言えます。

上記1や2の、現金を現金に換えるのはあまり得な方法とは言えません。なぜかというと、日本でもオーストラリアでも、外国の紙幣という「物質」を保管したり移送するのに手間がかかるからです。銀行にとってはあまり美味しくない商売なので、換金レートは悪くて手数料もかかります。

以下の表は、実際に筆者が2004年11月10日に調査した、日本円10万円分の紙幣をオーストラリアドルに換金するシミュレーションです。いかに現金→現金のレートが悪いか、お分かりでしょう。
現金10万円を豪州で豪ドルに両替 レート 豪ドル換算 手数料 両替後
生レート (2004/11/10) \80.31 $1,245.27 --- $1,245.27
Thomas Cook (トーマス・クック) \86.25 $1,159.40 $11.60 $1,147.85
Westpac 銀行 (American Express) \86.88 $1,150.98 $8.00 $1,142.98
ANZ 銀行 \87.36 $1,144.73 $7.00 $1,137.73
St George銀行 \87.72 $1,139.97 $7.00 $1,132.97
Commonwealth 銀行 \88.03 $1,135.98 $8.00 $1,127.98
National Australia 銀行 \88.65 $1,128.07 $8.00 $1,120.07
American Express \88.45 $1,130.56 $22.61 $1,107.95
HSBC 銀行 (Thomas Cook) \89.88 $1,112.58 $7.00 $1,105.58

どうしても現金を現金に両替する必要がある場合は、シドニーならクイーン・ビクトリア・ビル(QVB)にあるThomas Cookがお勧めです。Westpac銀行とHSBC銀行にはそれぞれアメリカンエクスプレスとトーマスクックの窓口がありますが、なぜか同じ系列でも全然レートが違います。いずれにしても銀行の両替よりも、両替専門のThomas Cookに軍配が上がりました。

それでも10%ほど損をしてしまいますのでやっぱりお勧めはできません。しかしシドニー市内にある日本人経営の旅行代理店などでも両替サービスをやっているところがありますので、ひょっとしたら需要が高い分、そちらのほうがレートは良いかもしれません。

2の場合は日本の両替屋さん事情にもよるので確かなことは分かりませんが、おそらく1と同じことが言えると思います。

3のトラベラーズチェックですが、これはオーストラリアでは免税店や一部のお店などでしか使えないので、買物目的での持ち込みはお勧めできません。しかし、こと換金レートについて言えば、なかなか有利と言えます。

例えば、オーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ)の換金レート表を見てください。
円をドルに両替する場合は"Japan" 欄の"Bank Buys"を見ます。Cheque(トラベラーズチェック)とNotes(紙幣)で明らかに5円ほどの差があるのが分かります。つまり、現金10万円を両替すると生レートから10%ほどロスするのに対し、トラベラーズチェックなら同じ10万円でも僅か2〜3%のロスで済むのです。興味のある方は上記リンクのページに、Foreign Exchange Calculatorというボタンがありますのでそこをクリックすると簡単に計算できます。参考までに、

Sell (あなたが外貨を売る) = Bank Buys(銀行が買う) = 日本円を豪ドルに両替
Buy (あなたが外貨を買う) = Bank Sells(銀行が売る) = 豪ドルを日本円に両替

これさえ分かれば誰でも十分に計算できます。

4のクレジットカードは、オーストラリアでは非常に強力な武器になります。いや、生活する上でカードがなければ不利になる場面が多くなると言っても過言ではありません。レンタカーを借りるときはカードを必ず提示しますし、割引率の高いホテルのインターネット予約なんかはカードがなければ予約すらできません。気になるレートですが、銀行のように便利なCalculatorはどうやら存在しないようで、VISAカードの定義によると「VISAインターナショナルが外貿に交換するレートに、海外利用に係るコストとして1.63%を加算したレート」が適用されるとあります。良く分かりませんが、実際筆者が日本のVISAカードを使った経験では、確かに2%くらいのロスになりましたから、クレジットカードの利用はかなりおトクということです。

最後に5ですが、日本の大手銀行では海外のATMで預金を引き出せるカード(インターナショナルキャッシュカードなどと呼ばれます)を作ることができます。オーストラリア国内では、「PLUS」というロゴのあるATMで日本にある自分の口座からオーストラリアドルを引き出せます。

筆者が持っている東京三菱銀行のカード(※)では、発行に1050円、引き出しに210円がかかりますが、他に調べると新生銀行ではどちらも無料となっています。肝心のレートですが、これがまた「VISAインターナショナルが外貿に交換するレートに4%を加算したもの」になるらしいです。レートではクレジットカードに一歩及びませんが、手軽に現金を引き出せると言う点ではこれもオトクなサービスと言えるでしょう。ただし、オーストラリアからの預金はできないようになっています。これができると筆者などは超おトクな外貨預金ができると思ったのですが、それほど甘くはありません。

※2005年11月6日追記
読者からのお便りで、東京三菱銀行は、2005年9月に同カードの新規受付をやめてしまったことが分かりました。メールをくださった方、ありがとうございました。また、新生銀行も以前は3%だった手数料を4%に値上げしたそうです。銀行さんも大変ですね。
この他、同様のカードは
みずほ銀行(インターナショナルキャッシュカード)
シティバンク(ワールドキャッシュカード)
郵便貯金(海外両替カード)
バンクカード (各地銀によるサービス)
などなど、結構たくさんありますね。



結論は、出発前にクレジットカードとインターナショナルカードを作って、あとは200〜300ドルの現金を持っていれば旅行でも長期滞在でも十分ではないでしょうか。トラベラーズチェックも良いですが、作る手間と換金する手間、銀行が開いてないと換金できないなど制約が大きいように思います。それに、現金でもチェックでも、10,000ドル以上持ち込む場合は税関での申告が必要です。

ATMなら24時間ほとんどの場合手数料なしで引き出せますから、もうトラベラーズチェックの出る幕はなさそうです。

マネーの達人・中級編、上級編では、オーストラリアの銀行口座開設方法から資産運用までを解説する予定です。お楽しみに!

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