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「海外で生活したい!」と思ったとき、よほどの資産をお持ちでない限り真っ先に心配するのが現地での仕事探しでしょう。豪州で仕事をしている日本人は、大きく分けて、
海外で仕事をするには、短期の海外旅行と違って、特別な許可(ビザ)が必要です。(厳密には海外旅行にもビザは必要ですが、旅行者ビザは多くの国で非常に簡略化されていて、よほどの問題がない限り入国できないことはありません。入国のときに係員がパスポートに押してくれるスタンプが、まさに旅行者ビザそのものです。)
つまり、フルタイムで仕事をするには、永住ビザの技術移住、国際結婚ビザ、または一時滞在のビジネスビザが必要です。 尚、ビザに関わる法律は頻繁に変更されるので、本気でビザ取得を目指す方は、オーストラリア移民局(DIMA)のサイトを必ずチェックしてください。
日本でも、いわゆる外資系企業にお勤めの方はご存知のことと思いますが、豪州では基本的に給料は年俸制で、残業手当、住宅手当、家族手当、通勤手当はまったく支給されません。特別な売上アップなどがない限り、日本でいうところのボーナスもでない会社が多いです。雇用契約書に書かれている年俸の額が支給されるすべて、と考えて良いでしょう。 しかもそこから下の所得税が差し引かれます。年俸の表示の仕方ですが、サラリーマンは厚生年金の支払義務(Super Annuation; スーパーアニュエーション、以下Super)があるため、通常は"$40,000 + Super" などのように募集要項に記載されます。Superは年俸額の9%(2003年現在)と法律で定められており、前述の"$40,000 + Super"の例では、この人の年収は$40,000で、その9%にあたる$3,600を会社があなたの代わりに政府に支払ってくれます。給料からの天引きとなる日本とはちょっと違う考えですので、年俸の交渉をする場合には注意が必要です。 尚、サラリーマンの年俸にかかる所得税は高く、例えば2003年7月〜2004年6月(豪州の税金の締めは毎年6月なのです)の1年間の場合、収入によって次のようになっています。 年収 $40,000 (約 310万円)→ 所得税 $ 8,172 (20.4%) 年収 $60,000 (約 460万円)→ 所得税 $15,132 (25.2%) 年収 $80,000 (約 620万円)→ 所得税 $24,407 (30.5%) 上記の詳細については税金のページで紹介していますので、ここでは「年俸以外の手当てはまったくない」ということと、「信じられないくらい高い所得税がかかる」ということを抑えておいてください。 現在日本の一流企業に勤務していながら豪州での生活に憧れておられる方は特に、もう一度ご自分の意志と豪州での現実をご確認されることを強く推奨します。 ちょっと驚かせ過ぎかもしれませんが、収入は少なくても人生の価値を家族との時間や自分の余暇のために見出せる方にとっては、豪州は本当に気持ち良く生活できる場所だということを最後に付け足します。
筆者自身は、アメリカ資本の電話会社に在籍中、会社再建の一環としてそれまで日本にあった部署を閉鎖して従業員は解雇、希望者のみシドニーオフィスで再雇用するという、まさにリストラ以外の何者でもない状況で渡豪しました。したがって、片道の交通費や引越しなどの費用は会社持ちだったものの、雇用の待遇は現地採用と同じで、「ビザをスポンサーしてあげるから、安い賃金で働いてくださいね」という、労働者側にとっては弱みを握られているような立場でした。 企業にスポンサーになってもらってビザを取得する方法は比較的取得しやすい方法のひとつですが、例えれば部活を辞めると退学しなければならないスポーツ推薦で大学に入るようなもので、会社を辞めるということは豪州に居られなくなるということですから、従業員としての立場は非常に弱いものになってしまいます。しかし、腰掛けで2,3年滞在して日本に帰りたいと考えている方にはこれ以上ないほど良いビザであるとは思います。 尚、4年に一度ビザの更新がありますから、会社側にとっては不要な人材を切るためのまたとない口実にもなります。ですからめでたくスポンサーが見つかって豪州が気に入ったら、早いうちに永住者ビザの取得を目指すことをおすすめします。 スポンサービザは永住ビザに比べて取得しやすいのも事実ですが、あくまでも会社の「飼い犬」ですから、その会社やオーストラリアにとことん惚れ込んでいて、就業ビザのためならどんな仕事にも耐えられるくらいの気合いが入っている人でないと長続きしません。 では、どんな人材が「スポンサーされやすい」のでしょう? 企業がスポンサーとなる場合は、政府から見ればその企業が移民を一人つれてくる場合の身元保証人であるということです。ですから企業にもそれ相応の社会的役割が求められます。どんな企業でもスポンサーになれるわけではありません。平たく言うと、国際的にサービスを展開しているそこそこの大企業の日本人担当か、日本人を雇わなければならない必要性がある会社(日本食レストランなどはこの例)などがこれにあてはまります。また、そのような企業が政府を説得して少々お金をかけてでも採用したい人材というのは、何と言っても経験があって即戦力であること、そしてビザの期限目一杯長く働いてくれることが大前提となります。英語はできるに越したことはありませんが、実はあまり重要でないのかも知れません。英語が話せるだけの人間は周りにあふれかえっていますからね。 しかし結局は、「日本人であることの強み」が生かせる職場に限られてしまうのがこのビザの難点です。実は筆者の前職がそうでしたが、下手をすれば豪州に居ながらにして日本時間シフトで働き、仕事中は英語を話す機会がほとんどない、しかも自分が休むと日本支社の機能が止まってしまうこともあるため、そうそう長くは休めない、ということにもなりかねません。これでは日本に居るのとほとんど変わりがありません。そのような不利な条件をすべて飲まなければならないのがこのビザのツライところです。
永住者ビザが取れると、上記のスポンサービザ制度の場合に比べてかなり身軽になります。会社に負い目を感じることなく、他のオージー達のように入社して一週間で転職したり有給を前借して1ヶ月のバカンスに出かけることも可能です。働き詰めの日本に疲れて渡豪される人にとっては、まさにオージーライフを満喫するためのパスポートと言えるでしょう。また、ネイティブ並みとはいかなくても英語でのコミュニケーションに支障がなければ、スポンサービザのような「日本人であること」に縛られない職種に就くことも可能です。 しかし、ビザを持っていても本質的に即戦力が求められる傾向には変わりがありません。選択の幅が広がる程度に考えたほうが失敗が少ないでしょう。一般に永住ビザと呼ばれるもののうち技術者移住ビザは、その名の通り、豪州で人材を育成するよりも初めから優れた人材を海外から調達しようとするものです。英語が得意で30歳未満、世に広く認知された資格を持っているプロフェッショナルな人なら、かなり取得しやすいと思います。取得には20〜30万円かかるとも言われますが、その分いい仕事に就ける可能性も十分ありますので、自信のある方はチャレンジしてみてはいかがでしょう。
最近はバブルの時期ほどでもなくなったとはいえ、駐在員の待遇は別格です。 ビザのステータスとしては、会社がスポンサーとなるスポンサービザなのですが、なにしろ会社の都合で滞在させている以上、そこには日本企業特有の手厚い手当てがあります。聞いた話では家賃は週に$800 前後(月約 25万円。もちろん給料は別。)が支給され、家族手当、駐在手当て、社用車まで与えられる上、上述の所得税もほとんどかかりません。給料の面だけを考えれば、これほど良い条件で滞在できる身分は駐在のほかにありません。 しかし残念ながら豪州で駐在のポストに就けるのは本当にわずかな確率で、アメリカの永住権をクジで当てるようなものでしょう。というのも筆者は現在日系企業の担当者と仕事をさせていただく機会が多いのですが、豪州にある日系の企業はほとんどが名の知れた大企業であるにも関わらず、駐在員はオフィスに多くても2、3人で、あとの日本人は現地採用という形態がほとんどです。駐在をおかない日系企業もたくさんあります。今現在豪州に拠点をお持ちの企業にお勤めの方もいらっしゃるかと思いますが、何百、何千という従業員のなかから、豪州の駐在として選ばれるには、実力だけじゃなく、相当の運が必要と思います。駐在の任期は最初のビザが切れる4年か、または1回更新して8年というのが相場のようですから、30歳〜35歳の赴任適齢期(?)を過ぎると次の順番が回ってきたとしても指名されるのは若い人になってしまうかも知れません。 また、運良く駐在として選ばれたとしても、良いことばかりじゃありません。「スポンサービザは会社の犬」と上述しましたが、駐在はもっとその傾向が強いです。日本本社との連絡は絶えることがありませんし、残業、早出は当たり前です。日本で仕事をするのと同じかそれ以上の働きが期待されることでしょう。またそういう人でなければ会社も指名しません。仕事を辞めるなんてもってのほかです。まさに会社のために生きている企業戦士。働く場所も会社が決めるのでひょっとしたらとんでもない町外れのこともあるようです。なにしろ豪州の主要産業は鉱業や羊毛などですから、これらを扱うとなれば必然的にそれらが採れる地域での仕事になります。また、ご家族があれば、駐在の家族同士や現地の日本人会のおつきあいも決して無視できません。お子さんは日本に帰ったらもう学校の勉強についていけないかもしれませんし、英語が飛びぬけてできるがために学校でいじめられるかもしれません。 庶民から見れば華やかに見える駐在員さんたちですが、それなりの重荷を背負っていることもまた事実なのです。
ワーホリで渡豪し、オーストラリアの生活がすっかり気に入って仕事を探す人は後を絶ちません。特に若い人達にとって一番取得しやすいのがワーホリ(Working Holiday)ビザですから、「とりあえず1年くらい住んでみて英語を完璧にマスターして帰国すれば、今よりももっと良い仕事を見つけられる」と思い立って渡豪する方も多いようです。ところがこのビザは結構融通が利かなくて、同じ職場では3ヶ月までしか働けなかったり、そもそも滞在期間が1年間と限られています。 どうも日本人は、英語圏で1年も生活すれば英語はぺらぺら話せるようになると思い込んでいる人が多いようですが、それは脳みそがやわらかい10代でぎりぎり達成できる期間であって、ワーホリに多い20代半ばから後半の世代は、相当の努力をしなければ1年間では満足できるレベルには到達しないでしょう。悲しくも、それがわかるのは滞在期間もあとわずかとなったころで、何とかあともう少し豪州に居られないものだろうか、と学生ビザに切り替えたりする人も多いようです。語学学校の先生が言うには、ぺらぺらと話ができるようになるのに、早い人で滞在し始めて1年半〜2年はかかるそうです。もちろんネイティブとルームシェアして、毎日学校に通っている人の話です。実は筆者も初めは1年も居れば十分だろうとタカとくくっていたのですが、目標に到達できなかった一人です。(^^; それはさておき、ワーホリの期限が切れるからといって、豪州での職探しをあきらめる必要はありません。贅沢こそできませんが、オーストラリアには低所得者層を守る寛大さもあるからです。家賃が高いシドニーでも、若い人ならば古いアパートでうまくシェアメイトを見つければ家賃はかなり抑えられますし、年収が下がればそれだけ所得税率も下がります。ワーホリから学生ビザに切り替えて、アルバイトしながらTAFE(テーフ)と呼ばれる職業訓練学校に通い、IT技術や調理師免許などのスポンサーされやすい技術を身に付けて、永住ビザを手に入れる人もいます。ワーホリ → 学生 → スポンサー探し → 技術永住ビザ取得というのが最も着実に定職を手に入れるパターンです。もちろん、日本で仕事をしている間にスポンサーされやすい分野で技術レベルを確固たるものにしておけば、いきなりスポンサー企業が見つかることもあるというのは言うまでもありません。ただしIT系のように日々技術を磨かないとついていけないような職種の場合は、渡豪して時間が経ち過ぎてしまうと仕事を見つけにくくなるのはお察しの通りです。 仕事を辞めて1年くらいオーストラリアでワーホリしよう、と考えている方、1年では英語をモノにするのは短いということと、今までのキャリアをより一層磨いて就業ビザを目指すことは不可能なのか、ワーホリの年齢制限までにそれに見合う技術が本当に身につけられないのか、もう一度考えてみてください。ワーホリビザは、31歳になる誕生日の前日まで申請可能です(ビザについて詳しくは豪ねっとなどの情報ページでご確認ください)。
「アメリカンドリーム」という言葉を良く聞きますが、オーストラリアでも成功を収める日本人はたくさんいます。もともと終身雇用制度がないこの国では、長く会社勤めするよりも独立して自分のビジネスを持つことがひとつのステータスとなっているようで、これはアメリカ文化の影響を強く受けている結果だと思います。今のところ筆者が個人的に出会うことのできる日本人起業家はレストラン経営者が圧倒的に多い(実際に起業する人数も多い)ですが、もしも永住権が手に入って会社に縛られない職探しができるのであれば、その苦労は想像を絶するものがあるとしても、最終的に独立起業することを夢見るというのもひとつの人生の選択肢かもしれません。今までの日本では終身雇用が当たり前でしたが、今後はそれもなくなり経済格差が広がる一方で、こういった小さな企業家たちが今までとは違うニッポンを作っていくかも知れないと考えると、なんだか楽しみな気もします。暗いニュースが続いて相変わらず不景気な日本ですが、海外から日本を見つめることで違う脱出口が見えてきているのは筆者だけではないと思います。
とりあえずどんな仕事があるのか知りたい方のためにリンクを用意しました。探してみると、本当にビザの必要性を痛感できます。 |
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