英語にまつわるエトセトラ シドニー滞在記 ホームへもどる 
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筆者は、オーストラリアで生活ができるということが現実となったときに最初に考えたのは、「そんなに苦労しなくても帰国したときには別人のように英語力が身についている」という幻想でした。本当はアメリカに行きたかったのですが、まあ英語圏だからとりあえずいいや、という、今思うとかなりふざけた考えしかもっていませんでした。

振り返るとかなり恥ずかしいのですが、ここでは筆者の英語に関する奮闘から得たものを公開いたします。これから渡豪する学生さんは必読です。

「ペラペラ」の魔法

当然のことといえば当然のことですが、こんな年齢(!?)になってからいきなり海外で生活するだけで魔法にかかったようにぺらぺら話せるわけがありません。いやいや、それは私だって日本にいるときには人並みに勉強はしていましたよ。理系でしたが一番の得意科目は英語でしたし、高校のときは進路指導の先生から文系転向を強く勧められもしました(それは他の理系科目ができなかったから???)。

なにしろオーストラリアへ来る前はアメリカ資本の会社で仕事もしていたし、電話で外国人と英語でお話する機会もよくありました。
しかし、このわけの分からない自信は、渡豪してまもなく完全に崩壊したといっても過言ではありません。

森元首相がクリントン元大統領と会談したとき、"How are you? (ご機嫌いかが?)" のつもりで "Who are you? (おまえは誰だ?)" と言ってしまい、クリントン元大統領が冗談で、"I'm the husband of Hillary Clinton.(ヒラリーの旦那だよ)" と答え、それを「私は元気です。あなたは?」と聞かれたと勘違いして"Me too.(俺もだよ)"と言ってしまったのは結構有名なエピソードです。

そこまでひどくなくとも、自分から"How are you?" と聞いておいて、"Good! Yourself?" と言われたのに対し、"I'm all right. How are you?" と、ま〜た同じことを聞いてしまうなど、中学校で最初に習う挨拶もまともに交わせない有様でした。(言い訳しますが、筆者以外にも似たようなことをやらかした人を2人以上知ってます。これは、挨拶をスムーズに行えるようになる過程で誰もが経験する現象に違いないと勝手に決め付けています。)

時制の一致などどこ吹く風、ひとたび会話になれば、文法はめちゃめちゃ、"Do"と "Does" さえも使い間違える自分に気がついて自信をなくし、一時期は英語から完全に遠ざかる日々を送っていました。実はシドニーに住むなら、日本語とほんの少しの英会話だけで生活することは十分に可能なのです。

英語を専門に勉強してきた人はともかく、その他一般人の英語上達速度は(渡豪して初めのうちは)過去の学校の成績とはあまり関係がありません。というわけで、まずはだまされたつもりで英語学校の体験入学をお勧めします。やっぱり少しでも学校に行かないと、いつまでたっても上達しない自分の英語に自信がなくなってしまい、さらに勉強しなくなる悪循環に陥ります。

学校の勉強みたいに暗記中心のガリ勉ではだめなんだけど、それでも毎日の勉強というか、練習というか、とにかく耳を鍛えて口を動かさなきゃだめです。

運良く外国人の彼氏、彼女を見つけられた人も、やっぱりそれ相応の努力が必要なことに変わりありません。
外国で暮らすことなんて、実際はほんの少しのアドバンテージしかないのです。

英語力のチェックとしては完成度高い IELTS

日本でメジャーな英語力の試験と言えば、評価方法に賛否両論ありますが、今のところは受験者数でTOEICにかなうものはないでしょう。
しかし、TOEICはマークシートで、聞き取りと文法、読解があるだけで、肝心の「しゃべる」部分の実力が測定できないという欠点があります。
オーストラリアでは、英語力を測る目安の試験として、永住権の審査にも使われるIELTS(アイエルツ)という試験がメジャーです。

IELTSは日本での知名度はイマイチですが、
・Reading (読み)
・Listening (聞き取り)
・Writing (作文)
・Speaking (面接)
の4部構成で言語の4要素を網羅しており、英語力を測る試験としては、かなり完成度が高いと思います。


参考までに、日本でメジャーな「英検」やTOEIC、TOEFLとのスコア比較を したサイトもありますので大雑把なスコア比較がしたい方はご参照ください。
http://www.aswho.com/abroad/test/level.htm

ただし、このようなスコア比較は提供者の独自判断であり、それぞれの試験の目的 が異なりますから、本当に目安程度に考えてください。
ちなみに筆者の判断では、 TAFE(職業訓練学校)入学の目安となるIELTS 5.5点なら、英検2級+TOEIC 600点 くらいの人がIELTSに向けて対策をすれば、短期間でも十分クリアできると思います。

また、IELTSには留学生や研究者向けのAcademic Moduleと、一般英語の能力判定 を目的としたGeneral Moduleとがあります。言うまでもなく、留学目的の方は前者、 永住ビザ目的の方は後者になりますが、理系の大学院などを修了して技術移住ビザ を申請するような場合はAcademic Moduleでスコア提示を求められる場合もありますので、良く分からない方はビザのエージェントに相談されることをお勧めします。

一般的にはAcademic Moduleの方が難易度が高く、同じ実力の人でもGeneralのポイントに比べて0.5〜1.0ポイントくらい低くなる傾向があります。 スコア比較サイトでは、IELTSがAcademic なのか Generalなのかを明記していないサイトもありますので、さらに注意が必要です。

留学に必要なスコアの目安
TAFE (Academic Module) 5.5 〜
大学 (Academic Module) 6.0 〜
MBA (Academic Module) 6.5 〜

永住権申請に必要なスコアの目安
申請者本人 (General Module) 6.0 〜
配偶者    (General Module) 4.0 〜

UTSの公式受験ページ http://www.uts.edu.au/international/ielts/index.html

3ヶ月に一度のチャンス!

IELTS試験自体は2週間に1回くらい行われているのですが、規定により3ヶ月に 一度しか受けられません。
受験にはパスポートが必要で、毎回チェック してるので、これを守らないとすぐに見つかってしまいます。

気になる受験費用は、消費税(GST)込みで、$242!!(現在の受験料は上記UTSのページから確認してください。) 日本円に単純計算で直しても2万円くらい。た、高い・・・ でもシドニーの平均的な語学学校のコースが週$200〜$300ですから、 妥当と言ってしまえば妥当なのでしょう。自己投資も半端な気持ちではできません。 というわけで、経済面から言って、規定がなくとも3ヶ月に一回くらいに しておくのが良いと思います。

また、最高得点は9.0で、0.5点きざみのスコア でしか出てきません。語学学校の先生に言わせれば、IELTSコースに毎日通ってる生徒でも、だいたい3〜5ヶ月で0.5点くらいしか伸びないと言いますから、 よっぽど納得いかない限りは3ヶ月ごとに受けなおす必要もないかもしれません。

結局のところ、どんな試験でも試験は試験以上のものではありません。筆者は 日本に居た頃、1年間2カ月おきにTOEICを受けていた時期がありました。 その結果スコアは飛躍的に伸びましたが、でもそれでぺらぺら話せるようになった とは全く思えません。このような方法は、短期間でスコアがどうしても必要なら有効かもしれませんが、それ以外の目的だとただの受験勉強と同じですね。

英語を勉強する日本人の最終目標、それはやっぱり「ぺらぺら」話せるようになることでしょう。

時間が許されるのなら、せっかくオーストラリアで過ごすのですから、 あまり試験のスコアにはとらわれず、肩肘張らず、身の回りの自然な英語のなかに自分をおいて、 力試し程度に試験を受けてみるのが良いのではないでしょうか。

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