ちょっと危険な生活〜ドラッグ、AIDS シドニー滞在記 ホームへもどる 

こういうことを記事にすると、すぐ「外国はあぶない」とかいう発想を持つ方も多くいらっしゃるかと思いますが、逆にそれから目をそらして知らないでいることの方がかえって危険を招くことになると筆者は考えます。

身近な犯罪か? 社会の病気か?

日本でも最近はドラッグ(麻薬)の事件が増えていると思いますが、常習者への意識はまだまだ希薄で、「麻薬」というと大変な犯罪、アンダーグラウンドの世界、という認識が大半だと思います。実際は多くの人が知らないだけで、一部の人々の間では、もうすでに日常化しつつあるのかもしれません。
それにも増して、麻薬大国アメリカの影響を受けやすいオーストラリアでは、麻薬は日常茶飯事、というよりも、常習者の存在を常に認めながら社会が成り立っています。撲滅させようという動きよりも、いかにして常習者を社会復帰させるか、いかにして一般人を犯罪に巻き込まないか、というところに議論の焦点があるように思われます。

街中のパブに偶然やってきた麻薬捜査犬。この時には検挙はありませんでした。フラッシュなしで隠し撮りしたため少しブレてます。

今そこにある危機

例えば、繁華街として有名なKingsCross(キングスクロス)は同時に麻薬常習者たちの巣窟として も広く認識されており、一般のオージー達も夜に裏通りを歩かないようにするくらいです。 KingsCrossの名誉のために付け加えると、駅周辺の大通りを歩く分には危険度は極めて低いです。 せいぜい風俗業の勧誘があるくらいで、新宿の歌舞伎町などにくらべると、ものすごく小規模で地味 な感じがします。なので、裏通りにさえ入らなければ、犯罪に巻き込まれるような確立は低いです。 筆者の知り合いの日本人もこの地域に何人か暮らしています。とは言ってもやはり危険な地域である ことに変わりはありません。日本の繁華街でさえ一人で歩くことが少ない方は避けるべきです。

話がそれましたがKingsCross周辺の一部の教会は、麻薬注射をしてもよい場所として法律で認めら れている場所もあり、禁断症状が出た常習者たちが駆け込むそうです。逆に、そのような施設が あるおかげで、常習者が禁断症状をおこして暴れたりすることを未然に防いでいるそうです。 また、注射針(Needles)の使いまわしによるAIDS感染を防ぐため、新品の注射針も無償で提供されて いるそうです。こういったサービスはもちろん税金でまかなわれているため、税金が高い オーストラリアの納税者達のやりきれなさが伺えます。

さらには、使用済の注射針を安全に捨てるための専用ごみ箱が街中の公衆トイレなどにも設置 されています。たまたまカメラを持っている時筆者が入ったトイレに備えてあったので撮影しました。


注射針専用ごみ箱

なぜかその隣には避妊具が売られている

繁華街のトイレなら理解に苦しみませんが、何よりショッキングだったのはこの公衆トイレが 某大学構内にあったものだということです。建前上は糖尿病の方のためのインシュリン注射用、 となっているらしいですが、学生の間でもドラッグは日常化しているということになるのでしょうか。 留学生の大学入試では英語能力検定(IELTS:アイエルツ)が必須となっていますが、IELTSの試験の 中にも、麻薬についての議論が小論文の課題となることも珍しくありません。犯罪に目をそむける のではなく、世界中で深刻な問題である麻薬に対して社会としていかに取り組んでいくかを学生の うちから認識させるような教育体制を取っているのでしょう。

また興味を引くのは隣で売られているコンドームで、これは注射針用ごみ箱よりもさらによく 見かけます。おそらくはAIDS感染対策と思われますが、空港にでさえ置いてあるのには驚きました。 では、薬局やスーパーでは買えないのかというと、それはそれで売っています。ただし日本のよう に薬局の前の自動販売機は見たことがありません。なぜわざわざ公衆トイレの中に設置するのか オージーの同僚に聞いたところ、恥ずかしがりでスーパーなどでコンドームを買えない人も中には いるのかもしれない、とのこと。何事にも自己主張して気が強いオーストラリア女性に対して、 男性は若干気が弱いと見受けられることもあるので、なんとなく納得できます。

それにしても執筆時に気が付きましたが6個で$2とはずいぶん安いですね。これも税金から 補助されてるのでしょうか。それは謎のままです。

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