| 本当にあった怖い入国審査 | シドニー滞在記 ホームへもどる |
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先日シンガポールへ一人で出張に行った際に、シドニー空港で思いがけず厳しい審査にあったときのお話です。
筆者はシドニーにある日系企業で仕事をしていますが、たまに海外出張もあり、一人で出国することがあります。行き先は日本ではなく、航空会社も日系ではないので、出国する時間帯は明らかに一般の日本人旅行者とは異なります。 飛行機に搭乗するにはX線の荷物検査と金属探知機によるものがあるのは皆さんご存知の通りで、手荷物がX線を通過するときに自分もゲートをくぐってポケットに凶器などが入っていないかチェックされるのはおなじみの光景です。 ところがアメリカでの同時多発テロ以来、この審査が非常に厳しくなったのはあちこちで聞かれることだと思いますが、X線だけでは分からないような火薬を検査する抜き打ち検査があることをご存知の方はかなりの海外通ではないでしょうか。私もよく知らなかったのですが、金属探知機のゲートをくぐるときに遠くの方から怪しい人物(?)を観察している審査官がいて、対象者を任意で検査することができるのです。 実は筆者は前回の海外出張のときにも不審人物と思われたらしく、一度この抜き打ち審査を受けているのです。今回も、たぶん周りにアジア系の単独搭乗者がいなかったのが原因だと思うのですが、X線を通過して手荷物を受け取った後に個別に呼ばれて検査を受けることになりました。 巨大な電動歯ブラシのような棒の先に化学反応で爆発物を検査する薬品がついていると思われる紙を取り付け、全身をそれでなでるようにチェックします。それが終わるとその紙を機械にかけて、反応を読み取るようになっています。一回目でPositive(陽性反応)がでて、おかしい、おかしいと審査官がつぶやきながらも、何と、二回目でもPositiveという結果になり、他の審査官が集まってくるとさすがに不安になりましたが、ここは在住者らしく堂々と(しているフリを)していました。 その後紙にかかれた簡単な質問票(火薬を使う仕事をしているか、大量のマッチなど持っていないか、最近火薬倉庫などに行ったか:もちろん全部NO)に答えていざ別室へ。何があるのかと思えば、靴を脱いで靴だけどこかへ連れ去られたあと、数分後に靴が戻ってきて私自身は何の検査も受けずに終わったのでした。 今思えば、出かける前に液体の靴磨き(たぶん少量の揮発剤が入っている)を使ったのが反応したのかも知れません。 ちょっとびっくりしましたが、審査官はあくまでも紳士的に対応してくれたのでそれほど動揺はありませんでした。 恥ずかしながら質問票で見たことがない単語がありましたが、そういうときこそ知ったかぶりをせずに"I'm not familier with these words" (この部分がよく分からないのですが)と聞いて完全に理解しなければ、万一勘違いをしてとんでもない回答をしてしまうと本当にシャレになりませんので注意しましょう。
あわただしい出張を終えて、今度はオーストラリア再入国です。 おみやげにお菓子を買ってきた筆者は、シドニー空港の税関で「申告物あり」の列に並んでいました。入国トラの巻でも触れましたが、オーストラリアの入国審査は厳しく、食品の持込は例えそれがおみやげであろうとも必ず申告しなければなりません。 ところが、ここでも列の途中から審査官に呼び止められ、他の人とは明らかに違う審査場所に連れて行かれてしまったのです。一般の審査場所とはちょっと離れていましたが、同じ部屋の一部なので、私が犯罪者のように扱われている様子は筒抜けです。 出国の時の紳士的対応はなく、愛想の悪いおばさん審査官が次々に質問を浴びせてきます。なぜ私だけ呼ばれたのかの説明も、入国審査に協力してくださいの一言もありません。ほとんど容疑者・犯罪者扱いです。 おばさん審査官(以下、赤で表示): 「お前は何の目的で入国するのか」 筆者(以下、青で表示): 「私はシドニーで働いています」 「何ていう会社だ?名刺を見せろ。何の職業だ?」 (名刺を出して)「私はエンジニアです。」 「何のエンジニアだ?」 「ネットワークエンジニアです」 「だから、それが何をするエンジニアなんだ?専門的なこと言ってもこっちはわけがわかんないよ」 (仕方なく、一通り仕事内容を説明する筆者。普段人に説明することが多い話題なので、まあ割とすんなり説明が終わる) 「それに関連する大学卒業の資格を持っているのか?」 「大学は出てるけどオーストラリアの大学じゃないし専門も違う。でも、関連の資格は幾つか持っている。」 「どこへ行ってきたんだ?何の目的でだ?何日滞在した?」 「シンガポールへ、社内研修と会議です。3日間の出張です。」 「何の研修だ?資料を見せろ」 (私が英語で書かれてある資料の一部を見せる) 「この資料には2004年と書いてあるじゃないか」 「これはドラフト(暫定版)のコピーを持っているだけです。最新版はこのノートPCに入ってます」 「このカバンはお前が自分で中身を詰めたのか?」 (この質問:”Did you pack it yourself?” は非常に重要で、ひとたびそれを認めると中身のひとつひとつについてすべて完璧に説明できると言っているのと同じことなので、禁止物が発見されれば絶対に言い訳はできません。ちょっとひどい感じもしますが、入国審査とはそういう場所です。) 「じゃ、カバンを開けろ」 (カバンの中身をすべて台の上に広げられる。そしてカバンの中の金属部分を保護している粘着テープを指して) 「これは何なんだ?」 「知らない。カバンのパーツでしょう。」 (テープをビリビリとはがす。おそらくそこに麻薬でも仕込んでいると思ったのか。そして空になったカバンだけが巨大なX線の機械にかけられる。その間、私の着替えや荷物はもちろん台の上に広げっぱなし。) 「よし、じゃ、自分でカバンを詰めなおしな。」 「服のポケットのものを全部出しな」 (財布をつかんで中からカードやレシートを全部出す) (シティバンクのキャッシュカードを取り出して)「このカードは何だ?」 「自分の口座のカードです」 「何で有効期限が『12/49』なんだ?」 (普段は持ち歩かない方の口座だったのでこれには本当に気が付かなかった。おそらく銀行側の機械の不具合か、本当に2049年12月まで有効と思われる) 「えっ?あ、本当だ。さあ、分かりませんね。シティバンクに聞いてください。」 「この白いカードは何だ?」 「オフィスに入るときの鍵(セキュリティーカード)です」 「それなら何で写真がついてないんだ?」 (私も転職してきて驚いたのですが、なんと我が社のセキュリティーカードには写真がついてません。) 「知らないよ、そんなこと(怒)! マネージャーに聞いてください。」 「エンジニアだって言ったな?年収はいくらだ?」 (冗談だと思ったので)「はっはっは、そんなの内緒だよ。」 「お前には質問に答える義務があるんだぞ」 「は?本当の質問なの?」 「そうだ」 「XXXドルです・・・。」(←超屈辱) (いい加減にうんざりしてきたので、ついに私の方から口を開いた) 「私はそんなに疑わしいのか?あなたはどうして私だけこんなことされなきゃならないのか、事前に説明もしなかった。」 「それは私の仕事だから」 「は?答えになってないよ!」 (別の男性審査官が横からにこやかに入ってきて、一応の説明をしてくれる。おばさん審査官はあいかわらずムスッとしたまま) 「よし、行ってよし。疑って悪かったね。」 「いいよ、あんたの仕事なんでしょ!!」 朝に到着した便だったので私はそのままオフィスに直行して、一連の話を会社のみんなにしました。帰ってくるなりいい笑い話になってしまいました。年収まで聞かれると言うのは人権侵害だという意見が多かったのですが、法律にも詳しい我が社のスゴ腕経理マンに言わせると合法らしいです。 また、あとで分かったのですが、この1週間くらい前にアジア系の旅行者による麻薬大量持込や偽造クレジットカードの大量押収が相次いであったようで、シドニー空港はいつもよりピリピリしていたようです。 「どうしてあなただけ疑われたかって?それはあなたがクールだからよ」 同僚の女性社員が言ってくれたその一言がすべてを洗い流してくれました。 ・・・私って単細胞ですね。 |
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